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【書評】「株式投資の未来」 

 

ジェレミー・シーゲル著 株式投資の未来 を読み、大変感銘を受けましたので、所感などを記したいと思います。

 

ジェレミー・シーゲルとは

ジェレミー・シーゲルは、ペンシルバニア大学のファイナンスの教授です。

今回、感想を記す本書は、長期投資のバイブルとも呼ばれているそうです。

株式投資のリターンが最も優れる

本書では、過去200年を期間として、株式、長期、米国国債、短期米国国債、金、ドルを対象に、インフレ調整後のトータルリターンの推移が記されています。

1802年に投資した1ドルが、2001年には、以下の表に示す価値となります。

投資対象 2001年の価値
$597,485
長期国債 $1,072
短期国債 $301
$1.39
ドル $0.07

 

株式投資は、1ドルが200年で597,485ドルとなり、圧倒的なリターンです。

株式投資は、2020年に発生したコロナショックのように、経済的、政治的な危機に見舞われて、大きく下げる局面もありますが、必ず回復してきました。

他の投資と比較して、圧倒的な優位性を示しています。

株式投資は、長期的な目線で見た場合、最も優れた投資対象となっています。

成長の罠

株式投資が、最も優れた投資対象だとして、具体的な企業に投資する際、成長性が高い企業に投資したいと思ってしまいがちです。

しかし、高成長で期待されている銘柄は、高く評価されており、高値で取引されるため、長期投資でのリターンが優れたものにならないというのです。

これを「成長の罠」として、様々な例を挙げて説明されています。

IBMとスタンダードオイルの比較

ハイテク企業のIBMとエネルギー企業のスタンダードオイル(現在のXOM)を比較して、「成長の罠」を説明されています。

 

1950年~2003年の各指標の成長率は以下のようになります。

指標 IBM スタンダードオイル
1株当たり売上高 12.19% 8.04%
1株当たり配当 9.19% 7.11%
1株当たり利益 10.94% 7.47%
セクター成長率 14.65% -14.22%

 

上記指標をみると、どの指標に関しても、IBMがスタンダードオイルを大きく上回る結果となっています。

上表から、1950年~2003年のリターンは、IBMとスタンダードオイルのリターンについて、どちらが高かったかという問いに、IBMと答えてしまったら、「成長の罠」にかかったことになります。

IBMに投資した場合、年率13.38%のリターン(1,000ドル→961,000ドル)

スタンダードオイルに投資した場合、年率14.42%(1,000ドル→1,260,000ドル)

ということで、スタンダードオイルに投資をしていたほうがトータルリターンは高かったことになります。

このような結果となった理由としては、IBMのバリュエーションが高いことにあります。

IBMは期待されているため、株価収益率(PER)が高く、常にスタンダードオイルの倍以上ありました。

これが、配当の再投資の際に効いてきます。

スタンダードオイルは、株価が低く、配当利回りが高くなり、50年間配当を再投資した場合に、保有株数が15倍になります。

IBMは、株価の上昇においてはタンダードオイルを上回りますが、50年間配当を再投資した場合に、保有株数が3倍でした。

保有株数が上回った分だけ、スタンダードオイルのトータルリターンは、IBMを上回ったとのことです。

投資家リターンの基本原則

以下の条件の会社の場合、どちらに投資するほうがよいでしょうか。

A社:向こう10年間、10%成長する

B社:向こう10年間、3%成長する

ここまでだと、A社の方がよく見えますが、以下の条件が付くと変わってきます。

A社:15%の成長が期待される

B社:1%の成長が期待される

この場合、買うべきはB社で、成長期待が低い銘柄は株価が下がり、成長率は低くても、高いリターンをもたらすからだとのことです。

ここでは、投資家が期待する増益率よりも大きな増益率を上げる銘柄を選ぶことが大切であるとしています。

まとめ

本書では、様々な事例をあげ、「成長の罠」などわかりやすくまとめられていました。

本書に記載されていることは、長期投資において、非常に重要なことと感じました。

投資先を選ぶ際に、参考にしたいと思っております。

本書は様々な例や、データを用いて説明されており、非常に分かりやすく株式投資の重要事項を説明していると感じました。

本書の魅力を、あまり伝えきれておりませんが、一読の価値ありと思います。